キミの心に届くまで
保育士さんと遊んでいたのか、プレイルームから笑顔で翼が手を振ってくれている。
同い年の男の子よりも大分細くて、標準体重を満たしていない翼。
あどけない笑顔が可愛くて、なぜか少しだけ心が落ち着いた。
「来てくれたんだね」
「あ、翼君!走っちゃダメ」
「はーい」
待ちきれないと言わんばかりに、翼があたしの元へやって来る。
「見てよ!今日は砂絵をしたんだよ」
そして無意識に手をギュッと握られて、中へと引っ張られる。