【完】一粒の雫がこぼれおちて。





よりによって、その日私に向かって言われた言葉が。


「おまえなんか、死ねばいいんだ!!」



きっとお父さんは私の誕生日なんて覚えてなかった。


もしかしたらその言葉自体、いつもの鬱憤で私に向かってじゃなかったかもしれない。



だけど、その日。


生まれた日に言われた、存在を否定される言葉に。



涙が溢れて、普通ではいられなかった。



その日、12月24日の夜。


私はお父さんの目を盗んで、家を飛び出した。



「どこで死ねば、お父さんの迷惑にならないかな……。」



大ちゃん以外からの〝好き〟も〝愛〟も、私は知らない。



どうせ死ぬのなら、最後くらい。


お父さんに「よくやった。」と褒められる死に方をしたい。





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