【完】一粒の雫がこぼれおちて。
「大丈夫だよ、里沙ちゃん。」
大丈夫。
だって私、
「最初から、和泉くんのこと信じてるから。」
今なら、分かる。
どれだけ冷たくされても、和泉くんの傍にいたかった理由。
どれだけ大ちゃんに愛されても、和泉くんの顔が頭から離れなかった理由。
どれだけ大河内さんに責められても、無意識に和泉くんを目で追ってしまった理由。
どれだけ、頑張っても
胸のときめきを止められなかった理由。
「……しずくちゃん、蒼空くんは臆病なの。だから、しずくちゃんの暖かい心で、包んであげて。」
「う、ん……っ!」
……あのね、
和泉くん。
私……、和泉くんが好きです。
誰よりも。