【完】一粒の雫がこぼれおちて。
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side 和泉蒼空
きっと、無意識だったと思うんだ。
「……っ!」
しずくに遠回しの拒絶をされて別れたあと、僕はまたあの2人を見つけた。
「松江、大河内……。」
未だに泣き止んでない大河内と、それを慰める松江を。
「和泉……。」
「いずみくん……?」
ここに来る際、久々に従兄妹の里沙に連絡した。
拒絶されたとしても、しずくを1人にするなんて、不安で仕方なかったから。
里沙は昔から人の心を見透かす占い師みたいな奴だし、里沙に任せればしずくも大丈夫だろう。
そう確信と安心を持って。
僕は今、動いてる。
愛しい、アイツ。
初恋のため。