【完】一粒の雫がこぼれおちて。
←8粒の雫→





side 和泉蒼空





きっと、無意識だったと思うんだ。



「……っ!」



しずくに遠回しの拒絶をされて別れたあと、僕はまたあの2人を見つけた。



「松江、大河内……。」



未だに泣き止んでない大河内と、それを慰める松江を。



「和泉……。」


「いずみくん……?」



ここに来る際、久々に従兄妹の里沙に連絡した。



拒絶されたとしても、しずくを1人にするなんて、不安で仕方なかったから。


里沙は昔から人の心を見透かす占い師みたいな奴だし、里沙に任せればしずくも大丈夫だろう。



そう確信と安心を持って。


僕は今、動いてる。



愛しい、アイツ。


初恋のため。





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