【完】一粒の雫がこぼれおちて。
ようやく泣き止んで来た大河内を確かめて、僕は口を開く。
「しずくもだけど、何でそこまで松江大地の肩を持つわけ? 格好イイんだか仕事が出来るんだか知らないけど、結局は暴力彼氏じゃん。」
「っ! 大地くんはそんな人じゃない!!」
そんな人じゃないって……。
実際に僕見たし……。
きっと、いや絶対。
以前の夜3丁目でしずくが泣いてるのを見つけたときも、アイツが関係してるんだろうし。
「大地くんは、大地くんは……。可哀相な、人なの……。」
「かわいそう?」
大河内が嗚咽を漏らして、松江が頷いた。
「……なぁ和泉。もし、俺と兄さんは血が繋がってないって言ったら。……どうする?」