【完】一粒の雫がこぼれおちて。
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side 和泉蒼空
「ねえねえ、和泉くん。」
相変わらず日常が日常のままの中。
「聞いてる? ねぇ、和泉くんってばー。」
コイツはまた懲りもなく、能天気そうな顔で僕に話し掛けて来る。
「いーずみくーんー。」
「ああもう!! さっきから何だよっ、うるさいなぁ!」
「だって、呼んでも返事してくれないんだもん。」
今は昼休み。
僕はいつも通り購買でパンを買って。
いつもの場所、中庭の日影で昼食を済ませようとしていた。
……なのにコイツが!!
倉橋しずくが!!
「和泉くん、一緒にお昼食べよ?」
……なんてことを言い出して。
最早ストーカーと呼べるコイツを撒くことも出来ず、ここまで連れて来てしまった。