【完】一粒の雫がこぼれおちて。
松江大地に教えてもらった、病院と病室。
やっぱりなんだかんだ家族であって、松江大地も気になっていたんだと思う。
別に言い訳する気はないけど、今日しずくとの待ち合わせに遅れてしまったのは。
しずくと会う前に1度、僕だけで先に会いに来ていたから。
つい数時間前に見た景色が再び前に現れて、今度は2人で、その道を歩んでいく。
「あら、和泉くん。また来たの?」
「白鳥さん……。」
僕たちに話し掛けて来たのはここの医者の1人、白鳥美嘉(しらとり みか)さん。
医者なんだから当たり前なんだけど、そこらにいる看護師さんたちとは違い、白衣を着ている。
「って……あれ? 隣の子は彼女?」
「は、はじめまして……。」