【完】一粒の雫がこぼれおちて。
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番外編①
想い出のページ
side 和泉蒼空
しずくと付き合ってからは、時がとても時間が早く感じる。
梅雨が過ぎ、夏が過ぎ……。
あっという間にやって来た秋の季節も、もうすぐ終わりを告げようとしている……。
心地好い、涼しく柔らかな風。
ソッと、当たり前のように隣で眠るしずくの頭を撫でた。
「んっ……。」
撫でただけだというのに、小さく漏れた声が何だか色っぽい。
この半年で、しずくはみんなが驚くほどに成長した。
見た目は対して変わっていない。
1度髪を切って、短くなっただけ……なのに。
なぜだか、最近はしずくがその場にいるだけで、甘い空気が漂っている感じがする……。
「……モテすぎだし。」
気持ち良さそうに眠る、しずくの額に軽くデコピンを打ち付ければ。
ほんの少しだけ顔を歪めて。
「っ、……変な顔。」
思わず、微笑みがこぼれた。