【完】一粒の雫がこぼれおちて。
番外編②
兄さんじゃなくて、
side 松江潤平
いつからだっただろうか。
この想いを感じて、この気持ちに気付いたのは。
「美衣奈。」
俺と美衣奈、そして兄さんは小さな頃からずっと一緒だった。
幼馴染ってやつ。
兄さんが3歳のときに俺が生まれて、美衣奈とは保育園からの付き合い。
しずくと兄さんが出会うまで、俺たちはいつも3人一緒だった。
「潤平、どしたの?」
美衣奈はいいとこのお嬢様。
親は物凄い溺愛っぷりで、俺や兄さんにも甘やかされて育った美衣奈は、ほんの少し、周りを見下した感がある。
我が儘も結構無茶ぶりなことが多く、俺と兄さん以外の同級生は、みんな美衣奈から離れていく。