【完】一粒の雫がこぼれおちて。





僕の名前は和泉蒼空(いずみ そら)。


和泉家の長男坊として生まれて、早17年。


こう見えても、普通の高校2年生だ。





――ガチャ


「ただいま。」



外から帰宅して、家の扉を開く。


相変わらず中はシーンとしていて、僕にとってはそれが日常。



階段を上って、直ぐ隣の扉を開けば僕の部屋。



鞄は机の上に置いて、体はベッドへと放り投げた。


本当はシャツが皺になるから、寝転ぶ前に脱がないといけないんだけど。


どうも無気力で、今はそれさえもが面倒臭い。



あとからアイロン掛けすればいいか、と考えて。


体が求めるままに、僕はベッドへと身を沈めた。





< 2 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop