【完】一粒の雫がこぼれおちて。
「アンタさ、ルールを守らない人間には説教だとか言ってるけど、本当は……自分の鬱憤を晴らしたいだけだろ?」
だからルールを守る人間は見てないんだ。
いつも目をギラつかせているのは、生徒の為でも学校の為でもなくて。
ただ自分のストレス発散に付き合わせる“悪い子”を探してるだけ。
「い、和泉くん! も、もう行こ……?」
「本当に教師なら、生徒全員の存在を気にしなよ。ハゲ。」
「和泉くん!!」
焦る倉橋に腕を引かれるまま、僕たちは放心する学年主任を残してその場を離れた。
あまりにもイライラして、思ってたよりも随分なことを言ってしまったけど。
正直後悔は無いし、ああいうどうしようもない馬鹿には、1度ビシッと言っとくべきだと思う。