【完】一粒の雫がこぼれおちて。
予想はしてた。
学校で冷徹、根暗と呼ばれる僕と、男女から人気で有名な倉橋だ。
2人が一緒にいれば、当然何かと騒がれるし噂も立つ。
「なぁ、2人って付き合ってんの?」
僕らの仲を囃し立てる者もいれば、怪しんで噂を立てる者もいる中。
一番後ろの席に座っている男の1人が振り返ってそう言った。
勿論、僕の答えは決まっている。
「寝言は寝てから言ってくれる? こんなのと付き合ってるとか、噂立てられるのも迷惑。」
「へ……。」
僕の容赦ない言葉に、再び教室の空気が凍った。
「そんなくだらない噂立てる暇あるなら、その空っぽの脳みそに勉学でも詰めれば?」