【完】一粒の雫がこぼれおちて。
思い出したのは、数秒前のこと。
多分、僕が松江に言った一言。
『こんなのと付き合ってるとか、噂立てられるのも迷惑。』のことで怒ってるんだろう。
まぁ、確かに言い方は悪かったかもしれない。
だけど。
「あながち間違ってないよね。」
こんな煩い女と付き合うなんて、僕からしたら絶対ありえないし。
「っ〜〜もういいっ!! 和泉くんの馬鹿!!」
さっきの松江と同じように顔を真っ赤にさせて、倉橋は自分の席へと戻って行く。
見事授業を打ち切られて先生は泣きそうだし、僕もそろそろ席へ座りたい。
「おい、和泉。」
座ろうとしたところ。
またもや、松江に引き止められた。