【完】一粒の雫がこぼれおちて。
何か言いにくいことなのか、松江は言葉を曖昧に濁して話す。
松江にとって不利益なことなのか、僕にとって不利益なことなのか。
それに関しては一切分からないけど、とりあえず今はどうでもいい。
人に何かを話すときには、ちゃんと声を出してハッキリと話すようにって、小学校で習わなかったわけ?
結局、
「何が言いたいのかサッパリなんだけど。」
コイツの言葉に耳を傾けることさえ、阿呆らしくなって来た。
「〜〜だから!! 俺は見たんだってっ! 昨日! 和泉と倉橋が夜、道端で抱き合ってたところ!!」
松江が叫ぶように言って。
それを聞いたクラスメートは、今まで凍っていた空気が嘘かのように自分が思うことを言い出した。