【完】一粒の雫がこぼれおちて。
「道端って抱き合ってたって……マジかよ!!」
「やっぱり、あの2人って付き合ってるんだ……。」
「オレ、しずくちゃん狙ってたのにいいぃ!!」
「見た目と違って、やること大胆じゃん。」
「……でも2人って、釣り合ってないよね。」
ますます、人間は馬鹿だと思う。
確かに今回、松江の言ったことは間違ってないけど。
それでも、人間1人の言葉でここまで戯れ事を考えつくことが出来るなんて、ある意味凄い。
凄いとは思うけど、決して敬いたくはない。
「和泉、昨日の夜3丁目にいたよな……?」
「……いたけど?」
嘘をつく気も無い。
松江の言葉に頷けば、ますます外野は煩くなる。