【完】一粒の雫がこぼれおちて。





彼女は唯一、私がクラスで気を許す女の子かもしれない。



和泉くんを含めたクラスの男子は、私には友達が多いとか人気者だとか、きっと思ってると思う。


だけどそれは違う。



私はただ〝見張られている〟だけ。



「倉橋さん、ちょっといい?」


「……大河内さん。」



2年1組女子のリーダー、

大河内美衣奈(おおこうち みいな)。


家は超がつくほどの大金持ちで、彼女はその大河内財閥の1人娘、令嬢。



……そして、大ちゃんの幼馴染。



「大地くんからの伝言。今日8時、3丁目のいつもの場所に集合。遅れたら〝お仕置き〟だから。」



〝お仕置き〟


その言葉に私の肩が震えたこと、大河内さんは知って言ってるんだと思う。





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