【完】一粒の雫がこぼれおちて。
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side 和泉蒼空
本当に最近、僕はおかしいのかもしれない。
「お前……この前、しずくの電話に出た奴だな?」
倉橋が落としていった携帯。
それを拾ったところで掛かって来た電話の相手は、あの〝大ちゃん〟だった。
彼氏にDVをされていると聞いて、1番気にするべき人物はコイツ。
迷うことなく電話に出た。
すると何故わかったのか、相手は僕が声を出す前にそう言って来たんだ。
本当にコイツにDVをされているのなら、学校内にも倉橋の見張り役とかがいるのかもしれない。
「今日の夜8時、オレの家に来い。」
「は?」
「いいもの見せてやるよ。しずくもいるぜ。」