おもわせぶりな彼。



なんだ、おなじ駅だったのか。

近所の高校に通っていたことを考えればこういうこともありえるのかな、なんて、まるで、おどろきを隠しつつ。

だからといって、話しかけるなんて器用なことは出来ないから、そっと改札まで一定の距離を保ちつつ歩く。

夕方の風は、日中のそれと比べて比較にならないほど寒い。

カーディガンの前を閉めるように、重ね合わせる。




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