bizarre love triangle
「了解しました。

姫も召し上がりたいのですね。

じいがお手伝いします」

浩は自分のアイスの蓋を取り、思い切り
アイスの中へスプーンを深く差し込んで
持ち上げると、山盛りのアイスが
スプーンの上に乗った。

優衣はそれを見て悲鳴をあげた。

「ちょっとー、私そんなに入らないよ」

浩は1オクターブ下げて答えた。

「お腹一杯食べないと大きくならないぞ。

大きくなったら、私のような強いボクサー
になるのが夢なんだろ。

じゃあ、食べなさい」

「私、そんな夢ないもん。入るかなー」

優衣は虫歯治療の時を思い出して口を
最大限大きく開けて待ち構えた。

浩は差し出したスプーンを一旦止めた。
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