bizarre love triangle
優衣はスプーンの動きを止めた。

「私は『ワルトハイム』のメンバーで
もなんでもないので結構です」

「優衣、肉好きじゃん」

優衣はスプーンの先端を浩に向けた。

「お肉は大好きだけど、それを焼く人
が大嫌い!

そんな、完全アウェイの悪の巣窟に
誰が行くもんですか!」

「・・・そんなら、俺一人で行くよ」

浩が食べ終えてキッチンに食器を置くと、
優衣が唇の端にカレーのルーを付けた
ままの状態で立ち上がった。

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