bizarre love triangle
「待って!

やっぱり私、行く!

だって、あの人、あの人のお母さんの前で
ぬけぬけと
『お母さん。ここにいる浩君と
私付き合っているんだ』
的なことぬかしやがるでしょ、あの人。

きー。許さないから、そんなふざけた
こと言いやがったら。

そうだ。私が先に言ってやるわ。

『私、彼氏とお邪魔して
申し訳ございません』って。

全く恐ろしい小娘だわ、あの人って」

優衣は一度も恵美の名前を呼ばずに
毒づいていた。

「じゃあ、行くんだね」

「当たり前でしょ。私が行かずに誰が
行くのよ」

優衣は目を吊り上げたままカレーの
残りを口に運んだ。

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