bizarre love triangle
みんなに手を振ってから手荷物検査を
終えて中に入り、機内に乗り込んだ。

隣の席の恵美が前後の席に乗客が
いないことを確認すると浩に言った。

「さっき優衣ちゃんと何話してたの」

「我が家に伝わる秘伝の殺人拳を
直伝してたでやんす」

「もう。お土産のこととか?」

恵美は浩の右手に自分の手を置いた。

浩は額から汗が出てきた。

「俺と恵美ちゃんが一緒のホテルに
泊まるんじゃないかって心配してたから、
そんなことねーよって言ったんだ」

「ふーん」

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