bizarre love triangle
(どうする?

あいつの所は駆け寄って捕まえるか?

でもまだコンテストの途中だ。

もうすぐコンテストは終わる。

それまで待つか?

でもあいつは客に紛れて逃げるかも
しれない。

どうする?)

少年は浩の視線に気が付いたのか
プラカードを下ろして立ち上がった。

「逃がすかー!」

浩は叫ぶと、ステージ上から一気に
客席の通路に飛び降りた。

他の出場者達も観客も浩の行動に何が
起きたか全く理解出来なかった。

少年は持っていたショルダーバッグを
右手に持ち、通路に出ると出口を
目指して走った。

浩は走りながら叫んだ。

「糞野郎!待ちやがれ!」



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