bizarre love triangle
少年はドアを開けて、ホールの入り口に
飛び出した。

少年がさらに正面玄関へと走ると、男性
スタッフ二人が前を塞いだ。

「お客様、お待ち下さい。

そのバッグの中を見せて下さい」

「うるせい!」

ホールの警備員がさらに二人、少年の前
に立ちはだかった。

少年は憎悪の目でスタッフを睨みつけて
から、持参したショルダーバッグを
開けて中から何かを取り出すと右手で
掲げた。

火のついた発炎筒だった。

「こんな下らねー、
コンテストなんかぶっ潰してやる!

「止めなさい!」

一人の警備員が叫び、スタッフが携帯
電話で警察に通報した瞬間であった。

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