bizarre love triangle
「一回だけか・・・」

「うん・・・。

じゃあ、優衣ちゃんにもこのこと伝え
といてね。

さようなら」

恵美は普段言わない『さようなら』を
最後に言うと、両親の元へ戻った。

孝治と良子は浩に頭を下げてから恵美
を囲むようにして浩に背中を向けると
歩き出した。

浩は今度こそ本当にどちらかを
選ばなければならなくなった。

自分も両親と暮らす為に大阪へ行き、
恵美と付き合い『ワルトハイム』を
続ける。

若しくは、札幌に残り、優衣と付き合い
『ワルトハイム』を最初の活動に戻して
自分一人だけで活動を再開する。

(どうしよう。本当にどうしよう)

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