bizarre love triangle
浩が立つと恵美と優衣はその発言に注目
した。

恵美の転校の話しを聞かされた日に自分
の思いを告げた優衣であったが、それから、
この話題は一切することがなかったので、
浩の気持ちが始めて分かるのだ。

札幌に残るのか、大阪へ行くのかがここ
で初めて浩が選ぶことになるのだ。

浩は立つと俯いたまま、なかなか話し出
そうとしなかった。

「・・・」

教室に沈黙が流れた。

和田は笑顔で言った。

「そんなに緊張することないぞ。

簡単な挨拶でいいから、簡単な」
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