bizarre love triangle
スタッフは無言で控え室を出て行き、
他の出場者達は何事もなかったかの
ように帰り支度を再開すると次々と
控え室を出て行った。

気が付くと控え室にいるのは浩だけ
になってしまった。

浩はTシャツを掴んで、ようやく
着ると立ち上がった。

控え室のドアが開く音がした。

「あのう・・・」

「はい、もうここで出ますよ。

エコの為に電気消しますよ、
俺がいるうちに、すぐにね!」

女性の声だったので、浩はさっきの
女性スタッフだと思い
不愉快指数百%で告げると

「浩君!」

「あっ、さやかちゃん!」

ドアを開けて立っていたのは
中三時代の家庭教師だった
石井さやかであった。
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