bizarre love triangle
愛子は右手にマイクを持った
ジェスチャーで、優衣の口元に右手を
突き出した。

優衣はさっきまでの気持ちを
切り替えて、ここはこの流れに
乗らなければと考えて答えた。

「はい。結果を発表します!

吉村浩は、0点です。

何故なら、オタクで
気持ち悪いからです!」

愛子は机を叩きまくって爆笑した。

優衣は予想以上に受けたので、続けた。

「吉村浩は気持ち悪くて、大嫌い!」

その瞬間だった。

開いたままだった教室のドアから浩が
忘れ物を取りに入ってきた。

優衣と愛子は凍りついた。

どう考えても最後の優衣の発言は浩に
聞かれていたからである。

優衣と愛子は下を向いて沈黙した。
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