bizarre love triangle
「『えっー』って言うけど、
俺が一番『えっー』って言いたいよ。

よっぽど打ち込みを嫌いな人間が
いるんだか知らないけどさあ。

そんなら俺を三位にすんなっつーの。

『決勝行けますよー』って、
喜ばしておいてこれだもんなあ。

でも、無理なんで諦めます。

数秒間期待させた皆さん、
ごめんなさいです」

浩は頭を下げて席に付いた瞬間に
一番前の席の後藤由子が叫んだ。

「あっ、恵美ちゃん、ピアノとか
鍵盤なんでも弾けるよね。

恵美ちゃん、やれば?」

今度は恵美に視線が集中した。

中学から同じ学校であった後藤は
恵美がキーボードを扱うことが出来る
ことを知っていた。
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