全力疾走でかけぬけるヤツの42.195km
「お次の方どうぞ」
いや、どうぞじゃねぇーよ!
あんたに「ヨーグルトください」なんていえねーよ!
翔は目が合わないように、メニューのほうへ目をやる。
しかし、彼女が気になりちらちらと彼女のほうに目をむけた。
やっぱかわいいんですけど!
「あの・・マンゴーヨーグルトください」
ねぇ!俺ホントはこんなやつじゃないからね!
心のなかで叫ぶが、聞こえるはずがない。
「以上でよろしいでしょうか」
「はい」
「ではお会計」
「あのっ、これで」
翔は無料券を出した。
「あ、はい。では無料券ご利用ということで」
恥ずかしーよー。
ありえねーよ。
しかしヨーグルトを準備している彼女は、やはりかわいかった。
自然にニヤけそうになる顔を、手で押さえる。
「いちごヨーグルトになります!
またのご利用をお待ちしてます!」
彼女は前のやつのときと変わらない”スマイル”でそういった。
いやぁ、またご利用しちゃいますよ!
通いつめますよ!
そういうわけで翔は「トゥワリーズ」に通いつめることになる。