愛しい君へ贈る詩
放課後。
結衣は変わらず美術室で一人、絵のデッサンをしていた。
すると、校庭から窓をノックする音が聞こえてきた。
「結衣ちゃん」
「蓮くん、どうしたの?」
「今、丁度ランニング中なんだけど、たまたま結衣ちゃんの姿が見えたから寄ってみた」
「良いの?先輩に怒られちゃうんじゃない?」
「ちょっとくらい平気。それより、噂になってるよ?」
「噂って…もしかして、蓮くんも聞いたの?」
「うん。バッチリ」
「やだ~…」
蓮にも噂が知られていたと知り、結衣は恥ずかしがっていた。