愛しい君へ贈る詩
「蓮くんこのことは…」
「大丈夫。愛美さんやお袋には言わないから」
「ありがとう」
「それより…大丈夫だったの?相手、男だったけど…」
「う、うん。実はね、ぶつかった人ね…」
「結衣ちゃんが一目惚れした男だったんでしょ?」
「えぇっ!何でわかったの?」
「ん?俺は俺なりに結衣ちゃんが一目惚れした相手を探してたのよん。…っていうか、たまたまその相手っていうのが俺の親友だったんだけどね」
「…そうなの?」
「うん。恭輔だったんだね」
「っ…」
蓮の言葉に、結衣は顔が赤くなるのを感じていた。
「れ、蓮くん。それより、ランニングは良いの?」
「あー…そろそろ行かないと…。結衣ちゃん、今日もまだ残るの?」
「昨日みたいに遅くならないように気をつけようとは思ってるの。もう少ししたら帰るね?」
「そう。なら、あと5分くらいここにいて?そうしたら、恭輔もランニングしてくると思うし」
「えっ…」
「せっかくだし、恭輔を見てから帰りなよ。あっ、でも昨日みたいに遅くなるのはダメね!もし、外が暗くなるような時間だったら、待ってて。一緒に帰ろう?」
「ありがとう、蓮くん。大丈夫、今日は暗くなる前に帰るから」
「そっか。もし、何かあったら直ぐに連絡してね?」
「うん」
結衣の返事を聞くと、蓮はランニングをしに部活へと戻って行ってしまった。