愛しい君へ贈る詩
「だって!女の子の顔と名前なんて、全くと言って良いほど覚えないアンタが、結衣に名前を聞くだなんておかしいじゃない?」
「………」
「結衣は私にとって初めて親友って呼べる子なのっ!大切な子なの!恭輔が曖昧な態度を取ると、いつか絶対に結衣が嫌な思いをする。ただでさえ、アンタは学校中の人気者なんだから」
「お前も蓮みたいなことを言うんだな」
「若鍋蓮?」
あずみは蓮の名前が出てくると、嫌悪感半端ないオーラを出し始めた。
「何、そんなに蓮のことを毛嫌いしてんだよ」
「だって、良い噂聞かないんだもん!それなのに結衣に付きまとっていて、恭輔よりも若鍋蓮が一番迷惑!」
「それでも、蓮にとってアイツは大切な女の子だし、守らなければいけない女の子なんだって言ってた」
「そうよ、それ!本当に意味がわからない。終いには、私が結衣のことを傷付けるだなんて酷いこと言ってくれちゃって!あの男、何様なのよ!結衣とどんな関係なわけ?」
「それについて蓮が言わないんだ。俺も知るわけないだろう」
恭輔はイラつきを抑えながら、あずみに答えた。