愛しい君へ贈る詩
「恭輔を見ていると、昔の自分を見ているようで、あの時の二の舞になるんじゃないかって心配だったんだ。結衣ちゃんを守り抜く覚悟、全てを背負える覚悟はあるかなんて予防線を張ったんだ」
「普通に言えば良かっただろう?」
「事がことだけに、軽々しくは言えないだろう?それに、中学時代の二の舞になりたくなかったのと、母親同士が双子だからほぼ兄妹みたいな感覚に近い感じで育ったから、結衣ちゃんを手放したくない…言わばシスコンみたいな感情も渦巻いていたんだよね」
「………」
恭輔は蓮の言葉に眉間に皺を寄せていた。
一方、蓮は蓮で自分で言って苦笑いしていた。
「それに、恭輔の気持ちが本当で、本人も自覚したら打ちあけようとは思ってたよ。だからそのつもりで、恭輔には回りくどい言葉だけど伝えていたはずだよ」
「……わかりにくいんだよ」
「恭輔が鈍いだけでしょ?俺、言ったじゃん。結衣ちゃんとは付き合えないし、結婚することもできないって」
「んなの、訳がわからない状態で言われても理解できるわけないだろう?」
「まぁ、それもそうか」
蓮は恭輔に返された言葉に、思わず笑ってしまった。