男装ホスト★

「…オバサン?」

「真野淳子!!」


私はそう言われて一瞬フリーズした。

なぜ知ってる?

秘密なのに。

ばれないようにすごい気を遣ってるのに。


しかも淳子さんを明らかに悪意を含んでオバサンと呼ばれた。そのことがやけにイラついた。


「…どーして知ってるの?」

「あたし、見ちゃったもん。ゆうくんがぁ、おのオバサンと歩いてるトコッ!」

「へぇ…ねぇ、今日は何を頼んでくれるの?」

「…へ?」


さゆりがいつもと違う雰囲気の私の様子に怯んだ。甘えた笑顔が若干ひきつる。私はお構い無くその先を続けた。

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