男装ホスト★
「…司さん、コレ、ありがとうございました」
開店準備に備品の確認をしていた司に声をかけた。
「…もう、読み終わったのか?」
驚いた表情で司は今している作業を止めた。
「あ、大体は…あとは経験かなと」
やっぱりそうなるよな、うんうん、と司は安心したように頷き、作業を再開した。私は戸惑ってその場にうろうろして、結局司に聞くことにした。
「…俺、何すればいいんでしょう?」
…仕事内容は把握したとはいえ、全然イメージがつかない。司は手を止めずに考えながら、
「うーーん、そういう采配は俺の管轄じゃないけど…取りあえず今日は会計ってトコじゃない?」
まあ、恭ちゃんに訊いてみて、と言われた。
「…恭ちゃん?」
「ああ、内勤のそういう采配任されてる人。多分、今、厨房にいるんじゃないか」
…厨房?ああ、あそこのことかな。さっき通りがかった………。
「ああ、それから腕時計は外しな。一応ウチ食品扱うから」