男装ホスト★

「…司さん、コレ、ありがとうございました」

開店準備に備品の確認をしていた司に声をかけた。


「…もう、読み終わったのか?」

驚いた表情で司は今している作業を止めた。


「あ、大体は…あとは経験かなと」

やっぱりそうなるよな、うんうん、と司は安心したように頷き、作業を再開した。私は戸惑ってその場にうろうろして、結局司に聞くことにした。


「…俺、何すればいいんでしょう?」


…仕事内容は把握したとはいえ、全然イメージがつかない。司は手を止めずに考えながら、

「うーーん、そういう采配は俺の管轄じゃないけど…取りあえず今日は会計ってトコじゃない?」

まあ、恭ちゃんに訊いてみて、と言われた。


「…恭ちゃん?」

「ああ、内勤のそういう采配任されてる人。多分、今、厨房にいるんじゃないか」


…厨房?ああ、あそこのことかな。さっき通りがかった………。

「ああ、それから腕時計は外しな。一応ウチ食品扱うから」


< 14 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop