男装ホスト★

「あ、はい」


そんなトコまで見てるんだ。慌てて腕時計をポケットにしまった。


恭ちゃん、恭ちゃんと心の中で唱えながら、厨房に行った。中を覗いてみると、複数の男の人がいる。あれ、女の人がいない…。恭ちゃんとは男の人なんだけど、この時点で私は完全に女の人だと思っていた。


どうしよう。取りあえず訊いてみるしかない。


「すいません、」


と言いかけて気がついた。

あ、恭ちゃんの本名訊いとくんだったーー!!!これじゃあ、恭ちゃんいますか?って馴れ馴れしい新人って思われるじゃん!ど、どうしよう…。

おろおろしていると、筋肉モリモリの大男が近寄ってきた。ひ、ひい!!ごめんなさい!


「なに?なんか用?あれ、見慣れない顔ね。もしかして新人さんかしら?」


………ん?

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