男装ホスト★

友達と別れを告げ、一人家に帰っていた。

はあー楽しかったな、と思いながら。これからの楽しいであろう将来について思うと自然とにやけてしょうがなかった。


帰ったらまず何をしよう。見てなかった月10でも見ようかな。




おんぼろアパートの前に着くと、私の部屋の前に怪しい男が二人いた。二人とも背が高くて、立派なスーツを着ている。

…なんなんだろう。


「…あの、何か御用でしょうか」

恐る恐る私はその背中に声を掛けた。男二人が振り返って、明らかに期待外れな顔をする。


…何よ、その顔。
思わずムッとする。


その気配が伝わったのだろうか。右に立っていた男がにこやかに――――恐ろしく冷徹な声で話し始めた。


「真田宗哲の娘さんで間違いないでしょうか?」


…ああ、そういうこと。


「…ええ、そうですが」

「お父様の借金の返済の件でお話があるのですが今よろしいですか?」


…借金。

また。

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