男装ホスト★
「…取り敢えず、中で話しませんか?お茶出しますから」
そう。このまま話してたら近所迷惑になるし、話が筒抜けだ。
「じゃあ、ご厚意に甘えて」
ちゃっかり男は了承した。左にいる男も黙って頷いた。
居間に案内した私は、男二人にお茶を出す。
「…で、いくらなんですか」
私はため息をついて、男たちの向かい側に座った。それを聞くと男はニコリと笑った。
「お、話が早いですね。助かります」
お父様のですね、借金は―――と男は鞄の中を漁って、一枚の紙を取り出した。
「これくらいになります」
提示された額を見て、私は驚いた。
―――1000万。
どうやったらこんなにお金を使えるの。こんな大金払えない…!!
男はそんな私の表情を見て、笑った。
「で、お父様の居場所がわからないんですよ、そこで我々も待っていられるほど余裕はないと」
「…つまり?」
「ご卒業もなさったことですし、担保であった娘のあなたに払ってもらうことにしたんですが―――」
男は私の身長を見た。
「その身長だと無理そうですね」