男装ホスト★
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「辰…また来たのか?アフターは?」
他の客は朝を迎えてすでに帰って行った。オーナー兼バーテンダーの夏さんがカクテルを振りながら、俺様に尋ねた。
「全部断った。今日はコイツがいるからな!」
コイツ、今日からホストなんだぜ!なんか作ってやれよ!と龍が私の肩に腕を回してきた。だから、重いわー!なんとなく向こうに押しやってみるが効果なし。密接してフワリと俺様の香りがした。意外にも柑橘系のサッパリとした香りだった。
夏さんは少し考えたあと、
「…君、未成年?」
と言った。
やっぱり大人には見えないんだな、と思いつつ私は頷いた。
「じゃあ、ノンアルで作るからちょっと待ってて」
夏さんは背後にある冷蔵庫の中を探し始めた。
「どうも」
と私は呟く。