男装ホスト★
騒がしい繁華街の喧騒が遠い。既に夏さんにお酒を作ってもらい、飲んでいた俺様の頬がほんのりと赤かった。いつも騒いでいる俺様は今は静か。いつもこうしてれば大人の男って感じがするのに…。今ならこの俺様とでもまともに会話が成立するかもしれない。
「なんで俺を誘たんですか?」
チビチビ飲んでいた俺様はチラリと私を見て、すぐ前を見た。
「…そこにいたから」
「…」
……俺様らしい理由だ。そこに山があったから。そんなこと誰か言ってなかったっけ?それに似てなんとも傲慢な答え。
「篤さんとはよく来るんですか?」
「いや、アイツとは一度も来たことがない」
来たことないんだ…。意外。仲良さそうなのに。
「誘わないんですか?」
「…」
俺様の沈黙。