男装ホスト★
「…私の身長と借金と何が関係あるんですか」
私は不機嫌な声で訊いた。
身長のことはよく言われる。でもやっと最近になって自分でも受け入れられるようになったのに酷い。
「あ、気を悪くなさらないでください。まあ、手っ取り早くキャバクラにでも働いてもらおうとしただけの話ですよ。でもその身長じゃぁ、」
だいたいの日本の男性を見下ろしますからね?とぐさり。
わかってる、そんなこと。
「……普通に働いて返しますから」
身体は売りたくない。
そう言うと男は苛立ちを見せた。敢えてそうしているのがわかる。
「だから、我々もそこまで待っていられないって言ったでしょう?普通って月収25万?あ、でもこれから大学行くんだっけ?それじゃあ、返してもらうのは何十年後?」
私が何も言えなくなったのを見て、男はそーゆーことっと呟いた。
「…じゃあ、どうすれば」
男はうーーんと唸る。そして、それまで隣にいた男が不意にしゃべった。
「…俺の店で働くというのは?」
俺の…店…?
男が同意した。
「あ、それいーーね。まあ、この子なら上手くやれるでしょ」
男が値踏みするように私を見た。
どういうことだろう。
「あの、説明してもらえます?」