男装ホスト★

「ここまで送ってくれたんだろ?」

「ええ、はい、まあ…」


私はまごついた。このような俺様に対する対処法は身に付けていない。何かがこのあと起きる気がする。悪寒しかしない。どうしよう…!?


「で、でも全然大丈夫ですから。じゃあ、あの…失礼します」


私は頭を下げて今度こそ出口に向かった。早く逃げたい。今あるのはその思いだけ。どうしちゃったの、俺様。変だよ。謝るなんて!私がまさに玄関のドアを開けようとしたときに、俺様が言った。


「恭ちゃんには俺から事情を説明しとくから気にすんな」

「え、マジですか。それは有り難いです。じゃあ、」


今度こそ失礼しますーーーーと言おうとした。俺様が何とも形容し難い顔をしている。私は躊躇して結局尋ねることにした。不安材料は今すぐ消すべきだ。とくにこの人に関しては。

「…ナンスか?何か顔に付いてますか?」

「い、いや、…早く行け!」


何だろう?まあ、いいや。後味悪いなぁ…。
私は俺様のマンションを出て、一旦自宅へ戻ることにした。

























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