男装ホスト★
振り返るとそこに一人の男がいた。確か…ゆうきと同期のヤツだったか?名前は…忘れた。
「指名入ったんでホールの方にお願いします」
その男の言葉遣いは丁寧だったが、挑戦的な目をしていた。そういう目は、嫌いじゃない。龍は不敵に笑った。
「わかった」
そして仕事を始めるべく香水と化粧と酒の匂いが入り混じった空間へと向かった。一気に騒がしく成り立つけど、むせるような臭いが鼻をさす。
でもそこから逃げようとは思わない。
自ら飛び込んでいく。
そこで一瞬の幻のために消えていくお金たち。
そこで繰り広げられるのは恋愛ごっこ。
夢を売って、金をもらう。
ーーーそう、俺らは夢売人。