男装ホスト★


「あの時は本当にありがとうございました」

「いえいえ―――」


淳子が頭を私に向かって下げた。…お、お美しい。私は同じ女性なのにドギマギした。淳子が微笑む。

「今日はあの時のお礼をしに参りました。どうやらホストに昇格なさったらしいということを聞きまして」

「あ、はい。つい最近なんですけどね」


そしてなんとなく直感で感じた。あたりはいいけどこの人――――上辺だけじゃダメだ。見透かされる。

ぐっと手を握った。

___勝負どころ。








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