光の少女Ⅲ【合成獣編】
「紅牙!蒼牙!」
二人が壁に叩き付けられる寸前で、朔耶が助ける。だが、彼はそのままK-01の尾で凪ぎ払われてしまった。
「ぐあっ!」
「・・・まずいわね。・・・やめなさい!」
追い討ちで朔耶に太い腕が降り下ろされるのを見て、沙羅が魔力で作った鎖でK-01の動きを止めようとする。
「っ・・・、きゃああぁ!?」
だが、それは逆に利用され、思いきり振り回された後、沙羅は床に叩き付けられた。
「沙羅ー!」
気を失ってしまったらしい彼女の所へ、瑠璃が飛んでいく。
「そんな・・・」
(皆、一撃で・・・)
僅かな時間で地に伏した四人を見て、花音はあまりの力の差に愕然とする。
その間にもK-01は倒れている沙羅達の方へ向かおうとしていて、花音は慌てて意識を集中させた。
(お願い・・・、力を貸して!)
光輝から借りた宝珠が光り出す。
それと同時に、宝珠の力が流れ込んでくる感覚があり、溜めていた力が膨れ上がったのを感じた。
「はあっ!」
その力を此方に背を向けているK-01に向かって放つ。一直線に向かっていった光の筋は、無防備だった背中に命中する。
「ウウウッ、ウガアア」
だが、当たりはしたもののダメージを受けた様子のないK-01が、花音の方を見て唸り声を上げる。
その表情は攻撃されたことに怒りを感じているようなもので、沙羅達からターゲットを変更し、花音へと向かってきた。