光の少女Ⅲ【合成獣編】
第9章 明かされた真実
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「はーはははっ」
一度体勢を立て直そうと森の中へ身を隠した花音の耳に、男の狂ったような笑い声が聞こえてくる。
何事かと木の影から様子を窺うと、男は笑いながら、辺りに様々な力を放っていた。
「・・・おかしい」
近くにいた神蘭の呟く声が聞こえ、彼女を見る。
「おかしいって・・・?」
「さっきは気が付かなかったが、こうして少し離れてみてわかった。あの男、暴走しかけているな」
「ああ。まだ自我は残っているみたいだが、それもいつまでか」
「まぁ、そう長くはないな。もっても、あと数分ってとこか・・・」
「・・・って・・・」
龍牙と白夜に続くように、風夜の声がする。
それを聞いて、違和感を感じた花音が視線を向けると、彼は何処か愉しげに男の方を見ていた。
「・・・どうして、あなたが《表》に出てきているのかしら?」
そう言った沙羅に、風夜は男から視線を外し、花音達の方を見てニヤリと笑った。
その笑い方と紅い両眼、沙羅の言葉から今、目の前にいるのは、風夜の中に吸収された筈のもう一人の彼だとわかる。
だが、何故今、出てきたのかはわからなかった。
「ふん、何だか手こずっているみたいだったからな。・・・それにしても、なかなか面白いことになってるな。あいつ、元々は人間だろ?限界が近いとはいえ、よく今まで自我をもっていたな。普通なら、とっくの昔に、暴走して破壊の限りを尽くしていたはずだ」
「暴走って・・・、風夜の時みたいな・・・か?」
「あんなどころの話じゃないさ。・・・・・・この際だから、教えといてやるよ」
光輝が言ったことに、[風夜]はそう返した。
「はーはははっ」
一度体勢を立て直そうと森の中へ身を隠した花音の耳に、男の狂ったような笑い声が聞こえてくる。
何事かと木の影から様子を窺うと、男は笑いながら、辺りに様々な力を放っていた。
「・・・おかしい」
近くにいた神蘭の呟く声が聞こえ、彼女を見る。
「おかしいって・・・?」
「さっきは気が付かなかったが、こうして少し離れてみてわかった。あの男、暴走しかけているな」
「ああ。まだ自我は残っているみたいだが、それもいつまでか」
「まぁ、そう長くはないな。もっても、あと数分ってとこか・・・」
「・・・って・・・」
龍牙と白夜に続くように、風夜の声がする。
それを聞いて、違和感を感じた花音が視線を向けると、彼は何処か愉しげに男の方を見ていた。
「・・・どうして、あなたが《表》に出てきているのかしら?」
そう言った沙羅に、風夜は男から視線を外し、花音達の方を見てニヤリと笑った。
その笑い方と紅い両眼、沙羅の言葉から今、目の前にいるのは、風夜の中に吸収された筈のもう一人の彼だとわかる。
だが、何故今、出てきたのかはわからなかった。
「ふん、何だか手こずっているみたいだったからな。・・・それにしても、なかなか面白いことになってるな。あいつ、元々は人間だろ?限界が近いとはいえ、よく今まで自我をもっていたな。普通なら、とっくの昔に、暴走して破壊の限りを尽くしていたはずだ」
「暴走って・・・、風夜の時みたいな・・・か?」
「あんなどころの話じゃないさ。・・・・・・この際だから、教えといてやるよ」
光輝が言ったことに、[風夜]はそう返した。