光の少女Ⅲ【合成獣編】

第10章 立ち塞がる壁

1

「任せるって、あいつ・・・」


言って引っ込んでしまった[風夜]に、風夜が溜め息をつく。


「でも、あんなのどう相手しろっていうのよ」

「・・・いや、お前達は何もしなくていい。ここにいろ」

「えっ?」


琴音が呟いた時に、神蘭の声がして、花音は視線を向ける。

彼女の周りには、封魔達もいた。


「ここにいろって、どういうこと?」

「そのままだ。あいつは、俺達が倒す」

「・・・行くぞ」


神蘭達が姿を消す。それに溜め息をついたのは、神麗だった。


「・・・全く、困ったものね。どの代の闘神も、プライド高くて、真面目すぎるわ」

「でも、神蘭様達に比べて、私達が実力的に劣っているのは事実です」

「協力するつもりで、逆に足を引っ張ってしまってもな」


星華と千歳が言う。

その時、それまで会話に加わることがなかった影牙が、風夜を指した。


「なら、そいつはどうなんだ?先程の様子を見る限り、さほど足を引っ張るようには見えないが」

「まぁ、魔族と神族は、本来敵対関係だからな。神蘭様達に協力出来ないから、引っ込んだんだろ」

「いや、違う。今の奴の力は、あいつを上回ってるからな。俺でいた方が影響は受けないそうだ。それに」


昴に首を振ると、風夜は言葉を止め、仲間達を見回した。
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