光の少女Ⅲ【合成獣編】
「!!今、何か音がした!」
花音が思い付いた方法を四人が試し始め、何度目かの攻撃のあと、蒼牙が呟く。
「音って、何の?」
「小さい音だったけど、何かが割れたような・・・、あ、また聞こえたよ。さっきより大きい」
蒼牙がそう言った時、元研究者で今は化け物の身体を覆っている甲羅の一部が砕けたのが見えた。
そこから、皹が入り、次第に広がっていく。
その間にも、風に煽られ、威力を増した炎と極限まで冷やされた水の渦は、容赦なく叩き付けられていて、最後には甲羅は完全に砕け散った。
「グガアアア!」
それまで身を守っていたものを失い、身体へと攻撃が当たる。
それにより、初めてダメージと呼べるダメージを与えることが出来たが、それは同時に相手を苛つかせたようでもあった。
「ウグオオオ」
雄叫びを上げ、花音達の方へ突っ込んでこようとする。
だが、それよりも前に、五本の光の筋がその巨体を捉え、鎖のように両手足と腰に巻き付き、その動きを封じた。