光の少女Ⅲ【合成獣編】
第3部 受け継がれるもの
第1章 風の国へ
1
「・・・それは、風の国を攻撃するということですか?」
言葉を失っている花音と風夜に代わるかのように、神蘭が聞く。
「そうだ。奴等の本拠地が其処なら、それなりの戦力が集まっているだろう」
「それなら、其処を叩かないわけにはいかないでしょう?少しでも、此方に有利な状況にする為にも・・・」
「待ってください!」
そこまで聞いて、花音は漸く声を上げた。
「風の国には、その国の人達が大勢いるんです!なのに、其処が戦場になったら・・・」
「間違いなく犠牲が出るだろう。・・・だが、先手を打たなければ、此方が不利になるかもしれない。その可能性は潰しておかなければならないだろう」
「・・・それは、そっちの都合だろ。そんな理由で、納得出来るか・・・!」
その時、聞こえてきた風夜の声は低かった。
「何っ?」
「・・・先手を取れなければ、不利になる?そんな理由で、国民を犠牲に出来るか」
「なら、どうする?それで後手にまわってしまえば、もっと犠牲は増えるのだぞ」
「・・・それなら、風の国を奴等の手から解放すれば、問題ないはずだ。風の国から撤退すれば、攻撃しないんだろう」
そう返した風夜に、総長はくくっと笑う。
「なるほど。そう来るか。・・・いいだろう。だが、待つのは明日だけだ。それ以上は待たない。そして・・・」
言って、風夜と総長の会話を聞いているだけだった神蘭達を見る。
「神蘭達には、予定通り神界へ戻ってきてもらう。時間を妥協したのだ。これ以上の妥協はない」
そう言いきった総長に、神蘭達は何か言いたげにはしていたが、結局何かをいうことはなかった。
「・・・それは、風の国を攻撃するということですか?」
言葉を失っている花音と風夜に代わるかのように、神蘭が聞く。
「そうだ。奴等の本拠地が其処なら、それなりの戦力が集まっているだろう」
「それなら、其処を叩かないわけにはいかないでしょう?少しでも、此方に有利な状況にする為にも・・・」
「待ってください!」
そこまで聞いて、花音は漸く声を上げた。
「風の国には、その国の人達が大勢いるんです!なのに、其処が戦場になったら・・・」
「間違いなく犠牲が出るだろう。・・・だが、先手を打たなければ、此方が不利になるかもしれない。その可能性は潰しておかなければならないだろう」
「・・・それは、そっちの都合だろ。そんな理由で、納得出来るか・・・!」
その時、聞こえてきた風夜の声は低かった。
「何っ?」
「・・・先手を取れなければ、不利になる?そんな理由で、国民を犠牲に出来るか」
「なら、どうする?それで後手にまわってしまえば、もっと犠牲は増えるのだぞ」
「・・・それなら、風の国を奴等の手から解放すれば、問題ないはずだ。風の国から撤退すれば、攻撃しないんだろう」
そう返した風夜に、総長はくくっと笑う。
「なるほど。そう来るか。・・・いいだろう。だが、待つのは明日だけだ。それ以上は待たない。そして・・・」
言って、風夜と総長の会話を聞いているだけだった神蘭達を見る。
「神蘭達には、予定通り神界へ戻ってきてもらう。時間を妥協したのだ。これ以上の妥協はない」
そう言いきった総長に、神蘭達は何か言いたげにはしていたが、結局何かをいうことはなかった。